奪われる子ども達の創造力
地球に住む生物で唯一人間にだけ与えられている創造する力。面倒なことを重箱の隅を突くように虱潰しに隠していく大人の生き様。
一つの事件や事故が、あたかも世界中で起こるような錯覚を起こさせるマスコミ。
川には柵が巡らせ、海は遠くまで浅く、公園の砂場はきれいに殺菌される。遊び場と言われるところには無機質な年寄りが無理解を腕章にする。付き合い方を教えることなく、根こそぎ奪い去る。自分の背中がみっともないからあらゆる手段で逃走を試み、弁明する。柔軟なスポンジは、何も疑うことなく汚水を吸い取り、自ら腐り、回りをも腐敗させる。
ここに出てくるユウキと草はそこまで世の中を悪しきものだとは思っていない。
ただ感じている・・・何かがおかしいと。自分も人も・・・。
ほんの少しの何かが運命の歯車を回しはじめることがある。
その何かがなんなのか?
なんでもいい!
今の子ども達にはなんでもいい、自ら歩くことに気付いて欲しい。
「風の曜日」の物語にはそんなかすかな望みが書かれている。そして舞台にはそれを本気でミュージカルにしようとする大人と子ども達の無謀が描かれる。この試みが無風に終わることが無いことを祈ってます。